
心電図や超音波検査装置を搭載した医療MaaS(移動診療車)を導入します
岐阜医療科学大学は、岐阜県におけるへき地医療の課題に対応できる医療人材を養成することを目指し、新たに医療MaaS(Mobility as a Service)車両を導入します。本車両を教育に活用し、チーム医療教育の強化を図りつつ、今後ますます事例が増えるオンライン診療・検診にも対応した次世代の医療人材を育成します。
■ 導入の背景
岐阜県では、高齢化や医療機関の減少により、医療機関へのアクセスの確保が課題となっています。特に岐阜県内の中山間地域では、診療所や病院への移動が困難な高齢者が多く、訪問医療の充実が求められています。
岐阜県内でもこうした事例が増えていくと予想されるため、今後の医療において医療MaaSに対応した医療人の養成が必要になってきます。
そこで本学では、最新の医療MaaS車両を導入し、全学部学科の学生が実践的なチーム医療教育を受ける教育プログラムを実施します。
■医療MaaSの概要
導入された医療MaaS車両は、診療・検査・遠隔診療機能を備え、医師、看護師、保健師、助産師、薬剤師、臨床検査技師、診療放射線技師などの医療専門職が協働できる環境を整えています。
【主な機能】
・移動診療機能
診察室や簡易検査室を完備し、基本的な診療を実施可能
・遠隔医療システム
大学病院や専門医とオンラインでつながり、高度な診断支援を実施
・検査機器の完備
心電図や超音波検査機器を完備し、検診にも対応
■医療MaaSを活用した教育モデル
2025年度4月より、医療MaaS車両を活用したチーム医療演習を実施します。
2箇所あるキャンパスをへき地と病院と仮定したオンライン診療の演習を行い、車両を活用した診療の流れや各職種の役割、オンライン診療から処方などの一連の流れについて、どのようにそれぞれの職種が連携していくと良いのかを学びます。
■ 今後の展望
将来的には、教育用に導入した医療MaaS車両を、無医地区の診療を担当している医療機関と連携しながら、オンライン診療をサポートできる体制を整えていきたいと考えています。
そのため、岐阜県医師会や各自治体、医療機関と連携し、地域医療ネットワークの構築を目指します。